リル！！

一人っ子のヒカル子にとって初めて弟ができたのが、リルでした。

リルは真っ白な体に左目と右耳が黒くて体がかなり大きな可愛いワンちゃんでした。

学校の友達とGWに日光に旅行に行って帰ってみるとお家にはリルがいたのです。

どうしてもワンちゃんがほしいと母親に何度も何度も頼んでいたので、願いが叶ったのです。

まだ手のひらにのるくらいのリルは本当に可愛くてかわいくて大切に育てていました。

リルは本当に利口で教えた事はすぐに覚えましたし、ヒカル子の言う事は何でもよく理解してくれていました。

ヒカル子の生活にハリを与えてくれたリル。ヒカル子はリルが大好きでリルもヒカル子の事が大好き

こんな日々がず～っと続くと疑わなかったヒカル子にとって、それは突然やってきました。

リルが突然体調を崩し、意識不明になってしまったのです。

家族から電話をもらって家路につこうと道を歩いていると、突然ヒカル子の歩いている道から「コツ　コツ」と音がするのです。

その音はヒカル子が歩くと音がして、ヒカル子が止まると音が止まる、その繰り返しで何が起きたのかと思いながらもリルに逢う為に本当に本当に急いで家に帰りました。

でも、リルは既に天国へと旅立った後だったのです。家族に聞くとヒカル子が「コツコツ」という音が聞こえた時間がリルが一番苦しい時だったそうえです。

リルがヒカル子と最後に一緒にお散歩をしたかったのだと思いました。

リルが亡くなってから２日後、家で横になっていると、突然横っ腹のところに何かが乗っかってきました。

でも見ると何も身体には乗っていないのに、お腹のところがぽこっとへっこんでいたのです。

リルが元気なころ、よくヒカル子のお腹のところに乗ってきていた事を思い出しました。

ヒカル子が「リル駄目よ。リーちゃんは死んじゃったんだよ。もうここにいてはいけないの。ちゃんと天国へ行きなさい。」と声をかけると不思議とお腹から重みがなくなり、お腹を見てみると、お腹はへこんではいませんでした。

それからは、リルはヒカル子のところには、もう来ませんでした。

リルは天国からヒカル子の事を見守ってくれていると思います。